運命の奈良町フラグかき氷

苦手な食べ物の話をすると
「それは本当に美味しいものを食べたことがないからだよ」と
言われることがある。
私はそれをただの常套句として受け流してきた。
その店を訪れるまでは。
外観が味を語る
友人と奈良でランチをした。
そこは繁華街から外れた場所だった。
食後、お茶を頂きながらGoogleマップで現在地を確認していたら、
近くに”行ってみたい”のピンが立っていることに気がついた。
あっ!ここ。気になってた甘味処だ。
珍しく友人が乗り気である。
気が変わらないうちにいざ!
お店は奈良町らしい
趣のある佇まいだった。

ちなみに私は、
この店の名物が何かすら知らない。
SNSで外観を見て、
「よさそう」と保存した店だった。
だが、今それは確信に変わった。
うまい!(※まだ食べてない)
フラグかき氷
メニューを決めてから
席に案内されるスタイル。
私はかき氷と上生菓子。
友人はあんみつを注文した。
案内された二階には
ローテーブルが三つあった。
手前のテーブルにはすでに
食べ終えたのか、空のどんぶりと
おひとり様。
(どんぶり?)
ちょっと気になったけど、
早く落ち着きたかったので
いそいそと席へ向かう。
しばらく和んでると、
私のかき氷がやってきた。どんぶりで。

お前のか!
まさかこの佇まいで、
デカ盛り出てくると思わんじゃん。
でも、いい⎯。
しゃもじで押しつけたのかな?みたいなあんこ。
氷から顔を覗かせた白玉。
無骨だ。
仏像でいうなら円空。

友人のあんみつは
普通だった。
え?私だけ?
本当に美味しいもの食べたことない説の証明
どんぶりかき氷を目の前にしていうことではないが、
私はあんこもかき氷もあまり得意ではない。
そもそも考えてみると、
かき氷が何味かも確認しないで頼んでしまった。
あんこが乗っているとは!
でも、本気のお店のあんこ
食べてみたかったんだ。
では、早速。

おさじで掬う。
わぁ~。ねっとりとした感触。
ペースト上の中に粒が見える。
口に含むと、豆の香り。
ねっとりの中にあるホクホク感。
お、おいしい。
何、これ。
あんこだけで食べられる。
…人生最高あんこ。
かき氷もサラッとした食感で溶ける。
ほんのり甘い抹茶味で
トッピングとのバランスも完璧。
苦いお茶もコーヒーも必要ない。
下の方には寒天が控えていた。
最終形態は抹茶あんみつ。
どんぶりでいける⎯。

私は真のあんこ、
真のかき氷を知らなかったのかもしれない。
あ…。
⎯⎯⎯
また奈良にかき氷目当てに来たい。
外に出ると一気に体温が上がった。
奈良町にかき氷で
はち切れそうお腹の影が伸びた。

本日の偏愛品
奈良町・樫舎のかき氷
あんこって豆の味を楽しむのものなんだと教えてくれる一杯。階段が非常に急。
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