アートは不滅だ、確かにキミは今も生きてるよ「キース・ヘリング展」で泣きそう、というか泣いた話
年を取ると涙もろくなるよね。
でもまさかポップアートの作品展で、涙がこぼれないよう天を仰ぐことになるとは思わなかった。
2023年12月某日。
私はクリスマスムード満点の六本木にいた。ずっと楽しみにしていた森アーツセンターギャラリーで開催中の「キースヘリング展」を見るためだ。
キースヘリングは昔から好きで、彼の作品がプリントされた服や小物ももちろん使っている。そしてこの日、私は早々に手に入れたおトクすぎるペアチケットを握りしめ、キース仲間を伴い、違う意味のカップルで溢れかえる街へと出かけた。泣くことになるなど知らず、これまたこの時期特有のものとは違うワクワクを胸に。
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キース・ヘリングは80年代に活躍したポップアーティスト
僭越ながら、作品展のレポートの前に、本日の主役についてご紹介したい。
キース・ヘリングは、1980年代アメリカの代表的なアーティストの一人だ。シンプルな線とポップな配色が特徴で顔のないピクトのような人や犬のモチーフが多い。
ポップアートの神様とも言われるアンディ・ウォーホルや、バスキアとも親交があり、アンディ・ウォーホルとはネズミ化したアンディマウスというキャラを生み出すほどの仲だった。
彼は社会貢献活動をしたりメッセージ性のある作品をたくさん残したが、1990年にエイズによる合併症で亡くなっている。
活動したのはたった10年ほどだったが、今なお世界中で愛されるアーティストだ。
- 1980年代に活躍したポップアーティスト
- アンディ・ウォーホルやバスキアとも交流がある
- 社会貢献活動に積極的でメッセージ性のある作品を残した
- 1990年にエイズで死去
初期のサブウェイ・ドローイングやレコードのジャケットが観られる貴重な機会
会場は日時予約制なのと会期が始まったばかりだったせいか人は少なめ。まぁ私が訪れたのは夜で、みんなはイルミネーション観たいから昼間に予約したのかも。
一部を除きほとんどが撮影OK。ただし動画はNG。こういうの増えたよね。SNSでの宣伝効果を狙って、というところでしょうな。良きかな、良きかな。
サブウェイ・ドローイングと呼ばれる初期の地下鉄でのストリートアート作品から、企業ものやアーティストとのコラボ作品など様々な展示されてた。
てか、すごない?これ地下鉄の掲示板の紙に描いたチョーク絵だよ?今もちゃんと残ってて観られるなんて感動すぎ。早い段階でキースが見出されたからこそ、だね。
お次はキースが手がけたレコードの数々を見て頂こう。
左上はデヴィッド・ボウイの『ウィズアウト・ユー』のジャケット。ちっちゃ!!って思ったら、これシングル版なんだって。そんなのあるんだ😮
そしてこれは色合わせがすごく好きだったスイスの時計メーカースウォッチの広告。
この他にも、たくさんの作品が展示されてたよ。
キースヘリングは今もいろんなブランドからアイテムが出てるよね。
そういえばコーチとのコラボかわいかった🐭コレコレ!!ってまだ買えるじゃん。
オシャレな人率が高い!?垢まみれですが同担失礼します
ところで、作品観ながら気がついたことがあった。なんかオシャレな人多くない?
いや、流石に全員がって訳じゃないんだけど、オシャレ上級者な感じというかファッション好きです、って感じの人率が高い。
オシャレな人がいっぱいいるところに行くと自分もオシャレな人の仲間入りしたような錯覚に陥ってアガるよね🤣背筋伸びちゃうっていうか。指先にまで力入っちゃうっていうか。目がバキバキになるっていうか。ん?
そう言えば、岡本太郎展の時もこだわりありそうな人やオシャレな人が多かった。
で、垢抜けることを知らない永遠の田舎っぺである私もキース愛匂わせスタイルで臨ませていただきました。チラ見せのキースミッキーTシャツとセルフネイルです。
え?いいんです。いいんです。こういうのは楽しんだもの勝ちです。鋼の心でもって、ディスは嫉妬としてカウントいたしますから😭
ちなみにペアチケットの片割れもキース自身がプリントされたTシャツをお召しになってましたが、優等生よろしくアウターの一番上まできっちり閉めておられました。空気感感じ取って導き出された処世術だとは思いたくない。
ネイルはこんな感じ。やっぱり筆で絵描くのは難しい。でもがんばったから見て!!
ポップなだけじゃない、彼のメッセージも聞いてくれ
作品の話に戻りまして…。
キースは、いろんなメッセージを含んだ作品も残してる。
例えば、1982年ニューヨークのセントラルパークで開催された反核集会で、制作したポスター作品「アンチ・ニュークリア・ラリー」2万枚を配布した。
無料で配ることで、より多くの人に核廃絶を訴え広めようとしたんだろうと思う。
キースの作品は単純で明るく、おもしろおかしいイラストのようだけど、そうする事でこれは何の絵だろう?と自然と目を向けさせ、彼自身が「いつの時代もアーティストは社会の代弁者である」と語っているように、作品で見る者に訴えているんじゃないかな。
見る側の社会問題への意識のハードルを低くしたこと、無料配布や作品の大量生産での低価格化といったフットワークの軽さでも彼の作品はポップだと言えるかもしれない。
南アフリカのアパルトヘイト反対。「フリー・サウスアフリカ」
広島でのイベントのポスター作品。「平和がいいに決まってる!!」
彼は生涯で80点以上のポスターを作ったとされている。
キースは自身がAIDSに感染したことをきっかけにそれまで以上に社会活動を行なうようになった。
そして、恵まれない子供たちへの活動もたくさん行っている。
そして、こんな言葉も…。
子どもたちはぼくたちが忘れていまっている「なにか」を知っている
子どもたちは毎日生きていることに満足している
それは本当はとても大切なことで
そのことを理解して尊重することができたら大人たちは救われるんだ
カジポンさんが憑依したかもしれん。つまり泣いた
そして、冒頭に戻り…。
私は一枚のパネルの前で泣いていた(心の中で)。
いや、ほんとは子どもの話のところで既にやばかった。
最初はよかった。キースの初期の作品、しかも地下鉄で描いていた頃の絵が見られること、彼らしいポップな色づかいの作品たちにワクワクした。
メッセージ作品のあたりから、熱いものが込み上げてきてたように思う。
彼が社会問題をテーマにした作品を作っているのは知っていた。けど解説を読み作品を見て、想像以上に彼がすごく熱心に活動していたことを改めて知って、初めて彼自身について考えてみた。
彼はこう言っちゃなんだけどメガネでひょろっとしていてのび太的いじめられっ子感がある。そしてゲイだった。(今もあるとは言えないが)今ほど性的マイノリティへの理解がない時代だ。だからきっと社会的弱者というか差別される側の痛みがわかる人だったんだろう。そして彼は彼らの代弁者であろうとしたんだと思う。
すごく優しくて強い人だ。
そして、先ほどのメッセージ。
アートは不滅だ 人は死ぬ ぼくだって死ぬ
でも本当に死ぬわけじゃない
だって 僕のアートはみんなの中に生きているから
彼はどんな気持ちでこの言葉を日記に書いたのだろう。
彼が生きた80年代はアメリカでエイズが流行した時代で、感染者には同性愛者が多かった。1983年には知り合いだったクラウス・ノミがエイズで亡くなっている。日記を書いた当時、キースは29歳。普通に考えれば死を意識するにはあまりにも早すぎるが、この頃多くのアーティストがエイズで命を落としていた。
そして、キース自身も1988年に発症、90年に亡くなった。
社会問題に敏感で精力的に活動していた彼は自分がエイズだと知った時、自分に残された時間を数え、どんな思いだっただろう。そう考えたら、胸が締め付けられた。
だが、亡くなって30年以上経った今も彼は世界中で愛されている。彼はまだ死んでいない。彼が命を注いだアート作品を今も見る事ができるし、彼が伝えたかったことは今も感じる事ができる。私たちの中で生き続けているのだ。
キースがエイズと診断された翌年設立したキース・ヘリング財団はエイズ患者や恵まれない子供のためのものだ。今でも世界中で慈善活動を行なっている。2020年にはサザビーズオークションに140点もの個人コレクションを出品し、5億円近い売上を出した。その収益はLGBTコミュニティ支援団体に寄付されている。
彼はまだ生き続けている。これからもずっと。
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【キース・ヘリング展 アートをストリートへ】イベント情報
キースヘリング展は、東京会場を2/25に終了したあと、神戸、福岡、名古屋、静岡、水戸を巡回予定。
次回の神戸会場でもすでにおトクなペアチケットが販売中✨しかも会員登録も手数料もいらないアソビュー!が使えるとか最高か🤣
グッズの話、全然できんかったからまた次回ね!!
東京会場
東京会場は閉会まであと1週間。これだけ一挙にキースヘリングの作品をみられる機会はなかなかないので、気になってる人はぜひ行って!!
チケットは日時予約制。予約に余裕がある場合は、チケットカウンター(六本木ヒルズ森タワー3階)でも発売されるけど、会期末は駆け込み来場が増えるから絶対観たいなら予約はマストだよ☝🏻✨
- 会期: 2023年12月9日(土)~2024年2月25日(日)
- 休み:無休
- 開館時間:10:00~19:00 金曜日・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで - 会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
- 料金:一般、大学生・専門学校生2,200円、中高生1,700円、小学生700円(税込)
- 最寄駅:東京メトロ 日比谷線「六本木駅」、都営地下鉄 大江戸線「六本木駅」、東京メトロ 南北線「麻布十番駅」、東京メトロ 千代田線「乃木坂駅」
- お問い合わせ: 050-5541-8600(9:00~20:00/ハローダイヤル)
チケットは、森アーツセンターギャラリー、フジテレビダイレクト、チケットぴあ、ローソンチケットで発売中。
[chat face=”blogicon-1.webp” name=”まいこ” align=”left” border=”red” bg=”none”]私は購入回数で会員ステージが上がるチケットぴあで買ったよー [/chat]
神戸会場
神戸会場は、ゴールデンウィーク丸かぶり!!東京での評判を聞いた後のイベントでもあるから早めのチケット購入がマストだね。しかも東京より閉まるの早い!!
- 会期: 2024年4月27日(土)~6月23日(日)
- 休み:月曜日 ※祝日の場合は翌日
- 開館時間:10:00~17:30※入場は17:00まで
- 会場:兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー
- 料金:一般2,000円、高大生1,200円、小中生500円(税込)
- お問い合わせ: 050-5541-8600(9:00~20:00/ハローダイヤル)
前売りのみの平日限定ペアチケットは3,000円と超オトクだから欲しい人は即ゲットを。
しかも神戸会場のチケットは、会員登録不要で手数料0円のアソビューが使えてうらやましすぎる💓会場でスマホを見せるだけでOKだからコンビニまで行って発券する必要もなし。(自宅でプリントも選べるよ)
その他の会場日程
福岡、名古屋、静岡、水戸の皆さんもお楽しみにー!!
- 福岡市美術館:2024年7月13日(土)〜9月8日(日)
- 名古屋会場:2024年9月~11月(予定)
- 静岡会場:2024年11月~2025年1月(予定)
- 水戸会場:2025年2月~4月(予定)
今回は「キースヘリング展」のお話でした。
あ、全然文中で触れなかったけど、カジポンさんは墓マイラーのカジポン・マルコ・残月の事です。ジョジョ立ちの名付け親でもあります。彼は著名人のお墓を訪ねては号泣するので私の中で泣く人の代名詞となっています。
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おもしろかった👍🏻役に立ったよーって思ったら応援してねー💓
では、みなさんいい旅を😆