偏愛の食
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【思い出を運ぶ味】出雲で縁結びの神様が繋いでくれた記憶の糸

まい(Maiko)
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君には思い出の味があるだろうか。

忘れていた記憶を思い起こさせる味。
私にとっての出雲そばがそれだった。

私は出雲で父との思い出を縁結びの神様に繋いでもらった。
それはとても心がふんわり温かくなる体験だった。

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ありがとうございます。

初めて、出雲を訪れた。
子どもの頃から憧れていた場所。
私はそこで父との思い出をひとつ取り戻すことができた。

父は口数が多い方ではない。
仕事が忙しい上、
子どもの私とは生活リズムが違っていた。
単身赴任で一緒に暮らしていなかった時期も長い。

おそらく私は普通の家庭よりは
父と過ごす時間は多くなかったと思う。

それでも父の休みの日にはたまに、
買い物について行った。
父は何冊でも本を買ってくれた。

ある日、父は出雲そばのお店に連れて行ってくれた。
うちは母が蕎麦が嫌いで、決して食卓に上ることがなかった。
だから、もしかしたらそれが初めての蕎麦だったかもしれない。

そこは、子どもの私からしたら大人のお店だった。
ちょっと本格的な、通っぽいお店。
なんとなく父が好きそうな雰囲気だなと思った。

メニューはよくわからなかった。
いつも行くおうどん屋さんのそれとはあまりに違っていた。
父は自分の分と一緒に私のも注文してくれた。

少し小ぶりで何段も重なった器が届いた。
父は割子蕎麦だと教えてくれた。
一番上のそばに蕎麦つゆをかけ、
食べ終わったら、皿に残ったつゆを次の皿にかける。

父に教わって食べた、不思議な作法のお蕎麦。
大人になっても、すごくおいしかったことをずっと覚えていた。

そして大人になった私は
憧れの出雲を訪れた。

もちろん昼は出雲そばだ。
蕎麦は2種類。
父に教えてもらった割子蕎麦ともう一つ、釜揚げ蕎麦。
友人と相談して1つずつ注文した。

割子そばから遅れて、釜揚げ蕎麦が運ばれてきた。
私はそれを見た時、これも父と食べた味だと気が付いた。
割子蕎麦の印象が強くて忘れていたらしい。

「つゆを入れて自分の好きな味付けで食べるんだ」
記憶の父がそう教えてくれた。

そばの香ばしい香りをたっぷり含んだ
とろみのある蕎麦湯。柔らかい麺。
体があたたかくなっていくのを感じた

釜揚げ蕎麦の湯気のように
ふんわりと優しく
立ち昇ってきた父とのの思い出。

忘れてたけど。ちゃんと心の中に
ずっと私とともにあったんだな、と思うと
胸の奥がぎゅっと締め付けられるような
あたたかいような感覚になった

出雲大社は縁結びの神様だという。
お蕎麦は神様が結び直してくれた記憶の糸だ

これからは釜揚げ蕎麦を手繰るたび
思い出すと思う
出雲が好きだった父のことを

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まいこ
旅と偏愛の変換装置です。 神話、仏像、ご当地スーパー。 すべてがちょっとエモく見える仕様。 考察の余地や誰かの愛があるものが好き。 非接触共鳴型偏愛家
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