偏愛の旅
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【泊まることで、建築を継ぐ】全国の“泊まれる名建築”③|物語を継ぐ宿3選

まい(Maiko)
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建築が語り、文学が響き、記憶が静かに宿る。
名建築をめぐる旅の最終章は、“物語”を継ぐ宿へ。
過去と現在が重なり合う場所で、
人と建物が紡ぐ新しい記憶をたどっていく。

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物語を継ぐ宿
─信仰、文学、時間。建物の中で語りが続く。─

NIPPONIA 出雲平田 木綿街道(島根県・出雲市)

神々が180日かけて酒を醸した地で、いまも静かに、
記憶が熟成している。街に染み込んだ時間の層が
日向燗のように、あたたかくじんわり沁みるような宿。

江戸時代から続く商家が建ち並ぶ木綿街道は、落ち着いた歴史ある街。旧造り酒屋をリノベーションした宿はそこにある。暖簾の下から覗く大きな酒樽は、訪れた旅人の旅情を掻き立ててくれる。

出雲は日本酒発祥の地と言われ、出雲国風土記には「この地に神々が集まって酒造りを行い、180日にわたり酒宴を開いた」と書かれている。

そんな地でお酒に縁がある宿に泊まるという体験は特別感がある。中には蔵を改造した部屋も。

リノベーションし過ぎず、元の梁や土壁を生かした室内は、日本的でありながらも、不思議とアンティークな家具がマッチする。

酒持田本店のものなど常時15種類の日本酒が楽しめる日本酒インクルーシブ-居酒-。また、オプションで酒持田本店の酒蔵見学も可能。

NIPPONIA出雲平田木綿街道

250年もの歴史がある建物旧石橋酒造

偏愛コメント:日本酒発祥の地で、旧酒蔵に泊まって酒を巡る旅をするなんてオシャレすぎる。日本酒インクルーシブもかなりおもしろい試み。

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城崎温泉 三木屋(兵庫県・城崎町)

“城の崎にて”の舞台を歩くと、
物語と現実の境目が少し曖昧になる。
志賀直哉が見つめた“生と死のあわい”に、
旅人として、自分の時間を重ねてみたくなる。

2013年にロビーや大浴場など大幅なリニューアルがなされたが、昭和2年に建てられた木造3階建ては今も健在。

志賀直哉の『暗夜行路』にも登場した300坪の日本庭園。

滋賀が庭を見ながら物思いに耽っていたという籐椅子はもうないが、ロッキングチェアが置かれている。

志賀直哉ゆかりの客室26号室は、宿泊者なら誰でも見学ができる。

『城の崎にて』の舞台である城崎温泉では、志賀直哉の来湯100周年を記念して立ち上がった出版レーベル「本と温泉」の作品を購入することができる。特に注目なのは、万城目学の発表した『城崎裁判』は『城の崎にて』をオマージュした作品で、志賀が殺してしまったイモリが主人公の小説家を裁くという奇想天外な物語。温泉に浸かりながら読めるように耐水ペーパーが使われている。また、カバーがタオル地という遊び心が憎い。

城崎温泉 登録有形文化財の宿 三木屋

昭和2年創業志賀直哉ゆかりの宿

偏愛コメント:文学の聖地巡礼!志賀直哉が生と死を見つめた庭で自分が何を思うのか。万城目学先生の『城崎裁判』を買って温泉で読みたい!

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雲仙観光ホテル(長崎県・雲仙市)

山の上のクラシックホテルは、まるで時が止まったかのよう。
その建物は、スイスのシャレーをイメージして造られ、
かつては世界中からゲストをもてなしてきたという。
そしてそのエントランスをくぐる時、
あなたという物語の幕が静かに上がる。

外国人避暑客向けのリゾートホテルとして誕生。スイス・シャレー風建築の日本を代表するクラシックホテルのひとつだ。

クラシカルな雰囲気のダイニングは、雲仙ホテルの象徴的存在。他にも創業当時からあるオーセンティックバーやライブラリーなどがあり、日本中からクラシックホテルファンが詰めかけている。

客室の壁紙には「ウイリアム・モリス」が使用されている。創業当時から大事に使われている家具と相まって落ち着いた雰囲気。

外国人を向い入れるためのホテルとして開業したホテルには珍しい、雲仙・地獄温泉の源泉を使った掛け流しの大浴場。タイルと半ドーム上の天井が、クラシカルで上品な雰囲気。

雲仙観光ホテル

昭和10年開業/登録有形文化財

偏愛コメント:革のトランクとクラシカルなワンピースで世界観に浸りたい。滞在中にアガサ・クリスティとか読んだらダイニングでのディナーはちょっとドキドキしちゃうかも。

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建築もまた、物語を語り継ぐ語り手のひとり。
壁や梁のひとつひとつが、時代の息づかいを覚えている。
その声に耳を傾け、物語の続きを一晩だけ共有する。
そうして、わたしたち自身もまた、物語の一部になっていく。

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非接触共鳴型偏愛家
旅と偏愛の変換装置です。 神話、仏像、ご当地スーパー。 すべてがちょっとエモく見える仕様。 考察の余地や誰かの愛があるものが好き。 非接触共鳴型偏愛家。noteでことばの旅もしています(まい|偏愛航海中)→https://note.com/mai_henai
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