東京で大人気を博した「はにわ展」が福岡@九州国立博物館で始まるよ
2025年1月21日から福岡・太宰府にある九州国立博物館で「はにわ展」が始まる。
先だって東京で開催された際には、平日でもすごい行列ができる日もあるほどの盛況ぶりだった。
福岡でもたくさんの方が楽しみにしていると思うので、より「はにわ展」を満喫して頂くべく私の体験レポートをここに記す。
トーハクこと東京国立博物館で待ちに待った企画展が始まった。
挂甲の武人 国宝指定50周年記念特別展「はにわ」だ。
トーハクで埴輪の大きな企画展が行われるのは50年ぶり。
全国から垂涎ものの埴輪が集結する埴輪祭の始まりだ。
ハニワとワタシ
の前に、そもそも埴輪とは一体なんだろう?
改めて考えると分からない。
きっかけは覚えてないが、小学生の頃宮崎の埴輪園に行きたいと強請るほど埴輪に傾倒していた時期があった。ただ残念な事に当時の私はアルミレベルの熱しやすく冷めやすい探究心しか持っておらず、何も知らない埴輪純真無垢な大人に育ってしまった。
しかし、埴輪に対する好感度は大人になっても健在☆今回の「はにわ展」を心待ちしていた。
そして大人になった私はあの頃とは違う。予習のできる大人のお姉さんだ!!
そして、更なる進化を遂げ、埴輪の違いがわかる大人に変身するわ。
「はにわプリズムパワー、メイクアップ!」
オレたち何、え?チーム結界
そして、改めて。
埴輪とは何か?
答えは、結界である。
埴輪は古墳の上に隙間なく並べて悪い気が入らないようにした結界であった。
結界…。なんてロマンに満ち満ちた言葉。あぁドキがムネムネする。
そして、埴輪は家形、船方、人型や動物の形などが登場し、役割も生前の様子を表したり死後の世界へと導くためのものへとなっていった。
そして、都内某日。私は埴輪展へと足を運んだ。
はにわ展会場の入り口には、初期の埴輪「円筒埴輪」が設置してあった。つまり会場を古墳と見立てるわけだ。そして、来場者はこの結界の中へと入っていく。くぅ〜胸熱すぎる展示だぜ。
ところで、この「円筒埴輪」。元はベンガラで赤色に着色され、邪霊を払っていたという。つまり、この頃既に「赤い色に邪気を払う力がある」という概念があったということだ。
赤という発想はどこからきたのだろう?
最初に思いついたのが、「血」の色だ。
呪術廻戦の呪術界御三家・加茂家は赤血操術で呪霊を払うので、確かに邪気払えそう。(呪術廻戦はフィクションですw)
あとは、太陽、火ってのもあるかもしれない。
と、同時にベンラガに邪気ではなく、より現実的な衛生面でのメリットがあったのかもしれない、とも考えた。が、調べてみてもベンガラの主成分・酸化鉄には特段殺菌作用のようなものはなかった。ただし乾燥を促しカビや腐敗を防ぐ効果や防虫効果があるので、単純に赤くしたかったからベンガラを塗ったという訳ではなさそうだ。
「挂甲の武人」くんのハニぷり伝説
メインビジュアルになっている「挂甲の武人」は国宝に認定されて今年で50年。
しかしこの埴輪、実は苦労人であった。
群馬の古墳で永遠の眠りについた主に未来永劫寄り添う所存の「挂甲の武人」くん。彼は不運にも昭和初期、長い眠りから叩き起こされる。公共工事で古墳が破壊されたのだ。そして、あろうことか、正しい価値を理解されず、出土した埴輪たちは、道路や近くの神社に無造作に埋められてしまう。それらの危機をかいくぐり、彫刻家「松原岳南」によって修理・復元されたラッキー埴輪がいた。そう「挂甲の武人」くんだ。価値が認められ1974年(昭和49年)に埴輪界初の国宝に認定。埴輪のプリンス、ハニぷり爆誕である。
凪いだ表情は人を油断させるが、よく見たら弓を肩にかけ、剣を抜きかけているような臨戦態勢。背中にはちゃんと矢が詰まった靫を背負っている。やる奴だぜ。
「挂甲の武人」くんは5人兄弟(本当の兄弟ではない)。アメリカにお嫁に行った子もいるため、今回のように兄弟が全員揃うのは非常に貴重である。
どんまい!!足元見られる埴輪たち
人物を表現した埴輪たちは、常に足元を見られがちである。
なぜなら足の有無で階級差を示しているからだ。
こちらをご覧いただこう。
1枚目の「埴輪 踊る人々」は足が表現されておらず庶民、対して2枚目「挂甲の武人」くん(の兄弟:群馬在住)は、足があり装いからも貴人と目されている。
確かに、踊る人々の方は人間かどうかも怪しいほどのデフォルメ化具合。いかにも印象の薄いモブという感じだ。しかしながら今ではこちらの方が埴輪代表みたいな印象。モブも長く続けてるといいことあるな、なんて思ったり思わなかったり。
胸熱!!ペジテの愛の物語
冒頭でも紹介したが、埴輪にはいろんな形のものがある。
円筒に始まり、人型、家型、船型…。当時の暮らしも窺えて本当におもしろい。
その中でもこれは!!というものがあった。
じゃん!!名付けてペジテ遺跡!!
いや、もちろん。本当のペジテではない。
私がそれっぽいと思っただけだ。
そもそもペジテとは???という方、置いてけぼりすまぬ。
ペジテは、ジブリの名作「風の谷のナウシカ」に登場するアスベルのふるさとの名前だ。土壁と建物の感じがちょうど似ていると思う。
実際のところ、この埴輪は「導水施設形埴輪」といって当時の何らかの施設を模したもの。いやいや、なんらかって導水施設でしょ?って思うかもしれないが、まだはっきりとは分かっていない。有力なのが水を引き入れて宗教儀式を行った「水の祭祀場」説や「殯(もがり)の施設」説。
で、その「元の建物は何?」論争の中に、黒崎直さんのウブヤ(産屋)説がある。様々な根拠の中で埴輪になってることを挙げてるらしいんだけど、「誕生の光景を埴輪にして古墳に持ち込んだのだろう」という解釈が胸熱すぎた。つまり、埋葬された人に対する「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちが込められた埴輪だってことだ。
これは、ツタンカーメン王の棺に妻・アンケセナーメンが花束を捧げた位、滾るものがある。まさか、ペジテからこんなちょっとジーンとくる話を頂けるなんて。はにわっていいですね。
せっかく「風の谷のナウシカ」の話が出たので、ちょっと聞いて欲しい。
私がこの作品の中で一番好きなのは断然ユパさまなんだけど、二番目に好きなのがクロトワ。彼はトルメキアのクシャナの側近。悪いやつなんだけど、ちょっと憎めないところもあったり。それと金カムの門倉部長にちょっと似てる、中間管理職なところとかwで、このクロトワ、こんな見た目でなんと27歳。今世紀最大の驚き。いやいや、顔疲れすぎじゃない!?やっぱり上と下の板挟みなのね!!
まさか!?姫(仲沢達弥)はにわとの遭遇
姫と聞いて仲沢達弥を連想するあなたは、正しき金カムオタクです。
ご存知ない方に、ご説明すると金カムとは人気漫画ゴールデンカムイのこと。最近までWOWOWの実写版ドラマが放送され毎週Xでオタクが沸き散らしていたので、名前を聞いたことがある方もいるだろう。そして姫はその漫画に登場する指名手配犯。金塊の在処を示した刺青を持つ死刑囚の一人、若山親分の「最後のひと」だ。
で、その姫が会場にいた。埴輪となって。
もう絶対これがモデルでしょ、野田サトル先生!!
このほか、会場には全部で120点ほどの至宝が展示され、そのほとんどが撮影OK。
音声ガイドは声優の石田彰さんと森川智之さんだ。
『鬼滅の刃』猗窩座と産屋敷耀哉だよ。くぅうう、良すぎる。なぜ埴輪でキャスティングなのかはわからんが。猗窩座好きなんだよ。でも、金カムでは平太師匠って知った時はかなり驚いた。全然わかんなかった。石田彰さん演技うま過ぎ。
「はにわ展」での戦利品
「はにわ展」はここ最近の企画展の中でもかなりグッズが充実していると思う。
ぬいぐるみや古墳時代の髪型になれるカチューシャ、企画展のコラボが定番化しつつある京都・UCHU wagashiの落雁などなど。
私は今回、図録と馬のはにわTシャツを買った。どちらもシンプルにデフォルメ化されたはにわがかわいい。TシャツはビックTが好きなのでLサイズをチョイス。こちらはLサイズにしても大きめに感じた。
ショッパーはビニールと紙袋。ビニールは透明でHANIWA!の文字入りでかわいい。図録を入れるには若干強度が心配な気もしたが、KAWAIIには抗えず、漫画のヒロインばりに大事に両腕で胸に抱えて帰った。ちなみに紙袋は無地。
「はにわ展」行くならコレ読も!
今回のはにわ展、知識がなくてもそれなりに楽しめるが、やっぱり前知識があると全然楽しさが違う。
それに、平日でも結構な来場者でなかなかゆっくり見るのが難しい。そういう時、注目ポイントが分かっていると効率的に見る事ができるので簡単に予習してから行くのがオススメだ。
私が読んですごくよかったのが、「時空旅人」。
「はにわ展」に合わせた特集が組んであり、本展で観られるはにわを中心に魅力を紹介している。雑誌だからサクッと読めるよう編集されていてビジュアルも多いので初心者でも飽きない。
「時空旅人」は、企画展に合わせた特集が多いので、博物館によく行く人や歴史好きにオススメだ。買うと1000円越えと雑誌にしてはお高めだが、それだけの価値はあるので、毎号楽しみにしている。
といっても、私はサブスクで実質無料で読んでる。
AmazonのKindle Unlimitedだ。
月額980円で500万冊以上が読み放題になるサービス。
「時空旅人」1冊買うより安い金額で200万冊以上読めるんだから、どうしてみんな入らないんだろうかと不思議でならないね。だって1冊あたり0.00049円だよ!?
30日無料体験ができるからぜひ一度試してみて。PC、スマホ、タブレットに一度に最大20冊まで借りられて、DLすればネットが繋がらない場所でも読めてかなり便利。
1月21日からは福岡・九州国立博物館で開催
残念ながら、東京国立博物館での「はにわ展」は2024年12月8日で終了。
2025年1月21日(火)からは福岡・九州国立博物館に巡回予定だ。
私が行った時も平日なのにかなりの人だったが、終了間際は入場待ちの行列がすごかったらしい。
注目度が高い企画展だけに福岡でも早めの時期の方がゆっくり観られるだろう。
しかも、今だけ当日チケットよりも500円も安い【1月~2月来場限定チケット】が発売中!!
しかも買えるのは1月20日まで。
私のおすすめはアソビュー!電子チケットでわざわざ発券しにコンビニまで行かなくてOK&割引クーポンやポイントサービスもあってオトクだよ。
- 会期:2025年1月21日(火)~5月11日(日)
- 時間:日曜日・火曜日〜木曜日(9時30分〜17時00分(入館は16時30分まで)
金曜日・土曜日(9時30分〜20時00分(入館は19時30分まで)) - 会場:九州国立博物館
- チケット:アソビュー、チケットぴあ他
- ホームページ:https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s72.html
おまけ:Hello Kitty展
帰り道、話題のキティちゃん展の会場。
キティちゃんがあちこちにいてかわいかった。こっちもぜひ行きたい。
- 会期:2024年11月1日(金)〜2025年2月24日(月)
- 時間:9:30~17:00
- 会場:東京国立博物館 表慶館(上野公園)
- チケット:アソビュー、チケットぴあ他
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では、みなさんいい旅を😆