写仏で知った、心の静けさ —— 東福寺・勝林寺で出会った“唯識”の気づき

京都でいつもと違う時間を過ごしたくて、ふと写仏を予約した。
静かな時間を期待していたわけではなく、特別な理由もなかった。
ただ “やってみようかな” という気軽さだった。
けれど、その何気ない選択が、思いがけず“心の働き”そのものを教えてくれた。
後になって知ったのだが、あの日の気づきは禅の「唯識」に近いという。
世界は外側ではなく、心がつくり出す像なのだ。
写仏という静かな行為を通して、私はそのことを体験として知った。
静けさの中に入っていく
静けさに入る前の“門”としての場所

珍しく、京都で一人の時間を過ごすことになった。
せっかくだから普段やらないことをやってみよう。
早速予約を入れて、ある場所に向かった。
東福寺の塔頭・勝林寺。
山門をくぐった瞬間、光がさっと柔らかくなる。
夏の空気はまだ熱を持っているのに、ここだけ静かに冷えている。
この温度の違いが、気持ちの中に境界線を引く。

写仏体験の部屋は庭に面している。
今日は私だけのようだ。別の部屋では座禅会が開かれているようで人の気配がする。
心地のいい静けさだ。
青紅葉が風にそよぐたび、
開け放たれた空間に風が穏やかに吹き抜けていく。
風が私の心も解いていく。
筆を持つ前の、この“何もしない時間”さえも
すでに写仏の一部なのかもしれない。

香のスイッチと、筆の緊張
卓上に置かれた香をかぐ。
普段かぐことのない香りだった。
またひとつの境界線を跨いだ気がした。
筆ペンを手にした。
普段、ペンを握る時でさえ意識しない“力”がそこにある。
線をなぞるだけのはずなのに、たった一筆で己の未熟さが露呈する。
細い線が震え、仏さまの衣の端がふにゃりと曲がる。
しかし不思議なことに、その“揺れ”でさえ受け入れられる静けさがあった。
庭から聞こえる葉ずれの音が、緊張を少しずつほぐしていく。
どこからか蝉の声も混ざる。
夏の気配のすべてが、私の「線」に入り込んできた。
小さな揺れが、心を映し出す
乱入
突然、賑やかな女性グループが入ってきた。
その明るい声が、静まり返った空間に弾ける。
筆先が一瞬だけ止まる。
胸の奥で、小さな波紋が広がった。
──ほんと勘弁してほしい。
せっかく心が静かに沈んでいきかけていたのに、
ぽちゃんと水面に石を落とされたようだった。
声は止まらない。
胸の奥に小さなざわめきが広がって、思わず筆を置いた。
顔を上げると、静かな夏の庭が広がっていた。
その変わらない景色をしばらく眺めているうちに、
ふっと、気づきが浮かんできた。
「乱されているのは、外ではなく、私の心そのものだ。」
外の声はただそこにあるだけ。
それを“雑音”と名づけて、
乱れの原因に仕立てていたのは、私自身だった。
そう思った途端、
心の奥で、静かにスイッチが切り替わった気がした。
呼吸が深くなる。
筆を持つ手が軽くなる。
外の声は消えないのに、世界が静かになっていく。
静けさは外側の条件ではなく、
“心をどこに置くか”で決まるらしい。

夏の庭が教えてくれたこと

境界がほどけていく。
写仏のときに訪れた静けさは、その延長線上にあった。
あの日の私は、まるで——
“心が外側へと染み出していくような感覚”
を味わっていた。
外の世界を拒むのではなく、
ただ、自分の輪郭がふわりと溶けていくような。
“それ”は前向きな気持ちになる努力とも、
強がりでもなかった。
ただ、境界線の引き方が変わっただけ。
SNSで心が疲れたとき、
ネガティブな投稿から距離を置くように。
距離を変えるだけで、
内側は驚くほど静けさを取り戻す。
写仏の最中に起きたのは、その延長だった。
よく考えたら、これブログ的にはおいしすぎるんだが
心の静けさを取り戻した瞬間、
ふっと、笑いがこみあげた。
……いや、これ絶対あとでブログに書くやつじゃん。
そんなふうに“ズレた余白”が生まれた瞬間、
心の力みがすっと抜けていった。
境界線がゆるんだことで、
世界の見え方まで少し変わった気がした。
領域展開
あのときの感覚は、わかりやすく言えば “領域展開” だ。
ただし、閉じた結界ではない。
自分の軸が強ければ、
外の影響に簡単には飲み込まれない。
でも外界を遮断するわけでもなく、
世界はそのまま見えている。
その柔らかな領域の広がりが、
あの日、私の静けさを取り戻した理由だったのだと思う。
あの日の気づきが“唯識”につながった

後日談:これ、唯識じゃん
後で東福寺について調べていると、
禅の「唯識」という言葉に出会った。
“世界は外側にあるのではなく、
心がつくり出す像である。”
……いや、無意識のうちに唯識を実体験してたとか、
ちょっとすごくない?
あの日の気づきが、静かに一本の線でつながった。
そして、もしまた似た状況に遭遇したなら

あの夏の庭の静けさを思い出せば、
もう大抵の雑音は怖くない。
もし次に似たようなハプニングに出会ったら、
そのときは心の中でそっと唱えようと思う。
──領域展開「伏魔御厨子!」
ほんの少し笑える余白があるだけで、
世界の輪郭は、驚くほど優しく変わっていく。
※領域展開「伏魔御厨子」=呪術廻戦より。伏魔御厨子:結界を閉じない、作中最強クラスの領域展開
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